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2011.12.27 03:06 |
ポトマック通信 マグロが結ぶ 日パナマ |
マグロ類は養殖が難しい魚種の一つとして知られるが、近畿大学がクロマグロの卵からの世界初の完全養殖に成功したニュースは、世界の漁業関係者に衝撃を与えた。 その日本の誇る水産技術を生かし、パナマでキハダマグロの養殖実験に取り組むプロジェクトが今年から始まった。パナマ水産資源庁などが行っている実験には日本から、科学技術の研究・普及活動を行っている科学技術振興機構(JST)と国際協力機構(JICA)が協力している。パナマはエビ養殖が盛んだったが、数年前に疫病で壊滅的被害を受けた。新たな水産資源を模索していたところ、JSTとJICAによる発展途上国の研究プロジェクトで技術支援を受けることになったのだ。 キハダマグロは世界のマグロ資源の約3分の2を占める。クロマグロは熱帯での養殖が難しいが、キハダマグロは高温でも産卵しやすい。実験では、気候や水温と産卵条件の因果関係などの研究を進める。 11月に現地で行われたプロジェクト立ち上げのシンポジウムも盛況だったそうで、JSTワシントン事務所の関係者は「科学技術外交の成功例となれば」と夢を膨らませる。商業化には時間がかかりそうだが、いずれパナマ産キハダマグロが日本の食卓にも上るかも? |